今回は【Vertical Tote TypeⅠ & TypeⅡ】について解説していきます。

A4サイズの王道な縦型トートバッグで、フロントポケットと上部に留めベルトが付く「TypeⅡ」と、シンプルな「TypeⅠ」の2Typeの展開となっております。
ART PIECE BAG-02【Vertical Tote TypeⅠ】

ART PIECE BAG-03【Vertical Tote TypeⅡ】

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■ デザインのルーツ
【Vertical Tote】は、ART PIECE BAG-01【Cheval】のディテール(縁の革巻き、玉縁、ディアスキンライニング、TypeⅡのフロントポケット等)を踏襲している部分が多くあります。


【Cheval】の開発中、「トートバッグに落とし込んでも良いバランスになるだろうな。」と直感したのがファーストアイデアでした。
【Cheval】が完成し、プロダクトとして受注を開始する頃には自然とデザインも鮮明になっており、実際に本格的に着手した際には大枠のイメージが固まっていたので、その後は細部をとことん追い込み、完成に至りました。
そういった意味では、【Cheval】のベースである「1950年代頃にフランスの郵便局(PTT)で使われていたバッグ」のDNAを受け継いだモデル、とも言えるかもしれません。

■ ディアスキンのフルライニング
ライニングには、ディアスキン(鹿革)を贅沢にフルライニングで採用しており、TypeⅡにおいては、フロントポケット内や被せの裏面にまで内張りを施しました。


Vertical Toteは構造上、日常使いの中で内張りがちらりと見えるため、ライニングカラーによってバッグ全体の印象が大きく変わります。
TypeⅡでは被せの裏側もさりげなく覗きます。
同色やダークトーンで合わせれば統一感のある落ち着いた印象に、「Turkmen Red」等のカラーを入れれば差し色になります。
外側の牛革の色はもちろん、糸色や金具の仕上げなども選択可能ですので、是非こだわりの組み合わせをお楽しみください。
(内張りディアスキンカラーの一例)

■ 製作工程で生まれる「皺」
製作の都合上、バッグを裏返す工程で革に皺が入ります。
張りとコシのある革ほど皺が入りやすい傾向にありますが、我々がメインで使用している「LWB ORIGINAL LEATHER」もまた、非常に張りとコシのある革となっております。
もし「新品時の見た目を綺麗に仕立てる」ことだけを目的とするならば、おそらくこの革は選びません。しかし、LWBのものづくりの本質は全く別のところにあります。
ART PIECE BAGのコンセプトでもありますが、LWBが目指すのは「世代を越えて受け継がれ、永く愛されるもの」を創ること。
その観点から、このマテリアルを採用しています。
永く経年変化を楽しめる「一生モノ」を求める方であればご理解いただける方が多いと思いますが、生産工程によって生まれる二つとない革の表情は、寧ろポジティブに捉えております。


■ オリジナル底鋲と、底面の仕立て
底面には、ヴィンテージディテールをベースとした真鍮無垢のオリジナル底鋲を採用しております。

【Vertical Tote】のバランスに合わせ、【Officer】や【Traveler】で使用しているものより一回りサイズを小さくしています。
なお、底面には芯材を入れていません。そのため、底鋲はバッグをしっかりと自立させるためではなく、一時的に地面に置く際に革を保護する役割として取り付けています。

芯材を入れると革本来の自然な抑揚が失われてしまうため、長年愛用した先の表情を最優先に考えてこの仕様を採用しております。



■ 牛革芯のハンドル
ハンドル部分には、一般的な紐やプラスチックの芯材ではなく「牛革の芯」を使用しています。
革芯で仕立てられたハンドルは、革本来の可塑性(かそせい)を妨げることなく、使い込むほど手に馴染みます。

■ 留め具パーツの使い分け(TypeⅡ)
TypeⅡの留め具は、2種類のバックルを使い分けております。

同じように見えてそれぞれ違う動きをしますので、デザインを揃えることよりも適材適所のパーツと構造に重点を置き、採用しました。
長年使った時に違いが活きてくるかなと考えております。
■ All Hand Sewn(総手縫い)
縫製はART PIECE BAGの理念に基づき、内縫い部分も含めてすべて「総手縫い」で仕立てております。
■ 推奨カスタム
基本はTypeⅠとTypeⅡの2型展開ですが、推奨するカスタムとして、シンプルなTypeⅠに「上部の留めベルトのみ」を追加することも可能です。
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【Vertical Tote TypeⅠ & TypeⅡ】の解説は以上となります。
特にTypeⅠはデザインがシンプルな分、細部のものづくりや、本質の部分がより顕著に出るような気がしてます。
プロセスや考え方が少しでも伝わっていたら幸いです。