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【U.S. MAIL BAG】



最早説明不用なus mail bag
ヴィンテージのレザーバッグと聞くと真っ先にこのバッグが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

ART PIECE BAGの2作目として、いくつかデザインベースを検討しておりますが、こちらが現状での最有力候補となっております。

LWBとしてどのように表現するか、
細部をどのように落とし込むか、
このあたりのバランスや大枠の思考は完了しており、後は試作しながらそこまで持っていく段階です。

試作毎に、実際に使用してテストする期間がある為、こちらも発表はまだまだ先になりますが楽しみにして頂けたらと思います!

TWシリーズのチェーン取り付け箇所について

TRUCKER WALLETのウォレットチェーンの取り付け箇所は、モデル別に2パターンございます。
【TRUCKER WALLET-01】【TRUCKER WALLET-03】 → ハトメ&小判カン
【TRUCKER WALLET-02】【TRUCKER WALLET-04】 → ディアスキンストラップ
TRUCKER WALLETの詳細はこちらをご覧ください。【TRUCKER WALLET】

長年の使用によって、より魅力的な経年変化をすることを想定して、それぞれの仕様を採用しております。

TRUCKER WALLET-02、04は構造上、ウォレットチェーンの取り付け箇所が屈折部分になります。


この取り付け箇所でハトメを付けてしまうと、長年の使用で革の裂けが発生しやすくなります。
その為LWBでは、革の耐久性を考慮し、タンニン鞣しのディアスキンストラップを採用しております。

TRUCKER WALLET-01、-03では、取り付け位置が屈折部分ではない為、ハトメ&小判カンの組み合わせになります。

Over-Dyed BlackとRude Blackについて

LWBでは、染色を施していないNaturalの他に、染料による手染めを施した5種類のカラーを展開しております。

大枠は下記のページで、それぞれのカラーについて説明を記載しておりますのでそちらをご覧ください。
【Leather & Thread Color Sample】

今回はその中でも、お客様によくご質問を頂く”Over-Dyed Black”と”Rude Black”について深掘りし、書かせていただきます。

【Over-Dyed Black】

ブラウンに染めた後にブラックを染め重ねることで、数ヶ月の使用で赤茶に移り変わっていく経年変化を狙い、意識して染色しています。
もちろん天然皮革の性質上、全てが狙い通りになるはずがなく、多少のブレがありますが、そういった不確定要素も含めてLWBが提案する“Over-Dyed Black“となります。
空気のあたり具合や、湿度、部位によってブラウンとブラックが入り交じった濃淡のある経年変化をします。

【Rude Black】

ブラック染料のみを使用し、極力ブラックカラーで在り続けることを狙って染色しております。
単純に黒く染めるだけだと思われがちですが、タンニンと油分をしっかりと含んだ革を染料のみでブラックと呼べるレベルまで染めることは難題です。
研究を重ね、工夫をし、納得のいくブラック“RudeBlack“を開発しました。
元々、タンニン鞣しの皮革(天然皮革)の性質上、不確定要素を含んだ素材となり、さらに染料のみのブラックとなりますので、部位等にもよりますが、使用するにつれて少しずつ色の移り変わりもお楽しみいただけます。

上記のような染め分けをすることで、異なる2種類の”Black”を表現しております。

【PTT & Cheval】⑥ サイドストラップ /Side Strap

 




写真1枚目右 : 1950’s France P.T.T. Waist Bag
写真1枚目左 : ART PIECE BAG 【Cheval】 (約6ヶ月使用)

マチの上部、両サイドにバックル留めのストラップが付きます。

デザインとしても目を引くディテールですが、マチの伸びや、潰れによる型崩れの防止、マチ幅を調節する機能があります。

しかし、マチ幅の調節に関しては、そこまで実用的ではなく、実際に当時もあまり活用されていなかったようです。

手元にあるヴィンテージバッグ (P.T.T.)や、今までに確認したことのある全ての個体が、同じく中央のピン穴(1番スタンダードな位置)で留められていることから、そう推測出来ます。

バッグ自体の厚みも、使用するにつれ程良く馴染み、自然と薄くなってきますし、マチを絞って薄くするメリットがあまり感じられないことから、デザイン面と型崩れの防止、そして強度を高める役割がメインであると考えています。

私がこのヴィンテージバッグのディテールを、Chevalに落とし込む上で特に大切にしていた部分が、使用によりマチが潰れてきた際のシルエットです。

正面から見た時に、サイドストラップ部分が、被せから張り出しているそのシルエットがとても魅力的に映りました。


言語化するのがとても難しいのですが、この形状美は、前の投稿でも書いている”縁革巻き “の部分と、サイドストラップの部分が大きく影響していると感じます。

デザイン先行のつくりではなく、機能や実用面を先行した結果、絶妙なバランスを保ち、一つのデザインとなっていることがわかります。

個人的に、衣類でもそうですが、バッグ等の革製品でも
vintage、 antiqueと呼ばれる古いモノ達は感覚的に魅力を感じる個体が多い印象です。

その理由を考えると、今回フォーカスしたサイドストラップの様に、機能や実用面先行でプロダクトを構築し、その結果デザインとなっている、そういったものづくりに対するマインド自体が一つの大きな要因ではないかと思います。

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少し脱線する所もありましたが、今回で【PTT & Cheval】の投稿は終わりです。

Chevalの詳細はPRODUCTSページからご確認いただけます。

店舗の方では、実物を見て触れて頂けますのでご検討中の方は是非ご来店ください。

【PTT & Cheval】⑤ 内装/ Lining






写真1枚目左 : 1950’s France P.T.T. Waist Bag
写真1枚目右 : ART PIECE BAG 【Cheval】(約6ヶ月使用)

ヴィンテージは裏地等は付いておらず、革の床面がそのまま見える状態です。

これはこのバッグが特別というよりは、生産国やバッグの種類関係なく、この年代辺りのヴィンテージレザーバッグであれば、寧ろ当然な仕様です。

今回Chevalで表現したかったのはタンニン轢しの革の特性を最大限活かした、唯一無二であり、最高峰のショルダーバ
ッグ。

その為、Chevalでは、ライニングにタンニン鞣しのディアスキン(鹿革)を採用しております。

被せ部分から、3箇所の各ポケット内部に至るまで、革張りを施した”フルライニング仕様”となっております。

革の断面が露出する通常のバッグであれば、この仕様は成り立ちません。

無理矢理落とし込んでも、全く性質の異なる素材同士が張り合わされた状態がバッグの輪郭となる訳なので、個人的には論外です。

ただ、前回の投稿で解説した、革の断面に縁革巻き(パイピング)を施した、この仕様である故に成立します。

デザインベースとした当時のヴィンテージバッグ (P.T.T.)で採用されているスペシャルな仕様を活かし、それをさらにスペシャルにし、Chevalに落とし込んだ、といった感じです。

デザインをする上で、足し算、引き算で考えますが、この部分は掛け算なイメージです。

盛り込めば盛り込むほどバランスをとるのは非常に難しくなりますが、そのポテンシャルをこのヴィンテージバッグは持っていました。

傷が付きやすいデリケートな物や、ウール等の床面と擦れて毛羽立ってしまう衣類等を収納するとなると話は変わりますが、ライニングが付かない物でも使用する上で問題はございません。

現代においても、タンニン鞣しの革を使用し、革の特性を活かしたものづくりをされているブランドでは、ライニングを付けない所も多いです。

しかし、実際に Chevalの実物を見て触れていただくと格別に感じられるかと思います。

他にも、内装のギミックとして、所有者ネーム・シリアル&製造年月日のナンバリング・ART PIECE BAGロゴが焼印or箔押しで入ります。

【PTT & Cheval】 ④ 縁革巻き・玉縁/Piping

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写真1-2枚目 : 1950’s France P.T.T. Waist Bag
写真3-4枚目 : ART PIECE BAG 【Cheval】(約6ヶ月使用)

随所にパイピングが施されています。
玉縁部分(写真1-4)と緑革巻き部分(写真5-8)
見た目は違いますが、どちらもバッグ自体の強度を高める補強の役割です。

・玉縁部分
デザインとしても美しい部分ではありますが、ヴィンテージバッグを細部までよく見ると、あくまで実用性を考えた結果そうなっていることが見て取れます。

本来の玉縁は革を曲げ、筒状を形成し、挟めるため、革の銀面のみが表に見えるのですが、ヴィンテージの仕様を見ると革の断面が見えます。(写真1-2)
おそらく帯状に裁断した革をそのまま挟んでいるのではないでしょうか。(なので厳密に言うと玉縁と言わないのかもしれません。)

見た目より効率や実用性、耐久性を意識したつくりであることがわかります。

自分なりにそう推測した上で、L.W.B.がつくる Chevalでは、本来の筒状にする玉縁を採用しております。(写真3-4)

見た目の部分でもそうですが、革の断面は銀面(革の表側)に比べ、水に弱く、強度としても劣る為です。

ただ個人的には、革の断面が見えるヴィンテージならではの荒々しい雰囲気も同じくらい魅力的に感じます。

・縁革巻き部分
各ポケット開口部、外周部分に革を巻き付けた仕様です。

革の断面からの水の染み込み、擦れ、伸びを考慮し軽減する為の補強になります。

こちらはヴィンテージと同じ仕様、同じパターンでChevalに採用しております。

上記で革の断面の強度、耐水性について触れていますが革を当てる以外にも革の断面を磨く “コバ磨き “をすることで耐久性を高めることが出来ます。
寧ろタンニンしの革を使用したものづくりの場合、コバ磨きをして処理する方が主流だと思います。

実際、LWBで展開しているウォレットや革小物は全てコバ磨きによる断面の処理をしています。

Chevalを構築する上で、縁革巻きによる断面の処理を採用しているのには意味があり、ヴィンテージと同じ仕様だからという理由で反映している訳ではございません。

その意味というのがLining(バッグの内側)に関係してくるので、後の投稿で合わせて解説させていただきます。

【PTT & Cheval】③ ショルダーベルト / Shoulder Belt





写真1枚目右:1950’s France P.T.T. Waist Bag
写真1枚目左:ART PIECE BAG 【Cheval】(約6ヶ月使用)

一見、ショルダーバッグに見えますが、ベルトの長さや取り付け位置から推測する限り、当時はウエストバッグとして使用されていたと思われます。(写真2枚目)

私も当初、ショルダーバッグの認識でしたが、オリジナルのベルトが付く個体を入手した際に確信しました。

利便性やバッグ自体のサイズ、形状を考えると当然ではありますが、現存している個体の中でも、カスタムが施されショルダーバッグに仕様変更されている物の方が多い印象です。
もしくはベルト自体が欠損しているか。

Chevalでも、当時のオリジナルとは仕様を変更し、ショルダーバッグとして構築しました。

さらに、衣類へのダメージや肩への負担を考慮し、ショルダ一部分には、広範囲に革を縫い付ける仕様を採用しております。



私自身古着が好きで、冬場にはウールのシャツやジャケットを着ることがあるのですが、通常のショルダーバッグを背負った場合、革の床面とウールが擦れて繊維が毛羽立ってしまい、それがショックでした。

レザーのショルダーバッグを使ったことがある方の中には、同じ思いをされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ものづくりの面では手間と時間のかかるギミックではありますが、そういった自分自身の経験から生まれた仕様となっております。

【PTT & Cheval】② 刻印 / Engrave






写真1枚目:1950’s France P.T.T. Waist Bag
写真2枚目:ART PIECE BAG 【Cheval】(約6ヶ月使用)

ヴィンテージにはP.T.T.の刻印が入ります。

現フランス郵便局は LA POSTEですが、その前身となるのが、このP.T.T.(Les Postes, Télégraphes et Téléphones)

Chevalではこのディテールを、同サイズ、同書体の刻印をオリジナルで製作し、L.W.B.として落とし込みました。

フランスのメールバッグは細かい年代判別が難しく、例外もありますが、おおよそはフロントの刻印で判別が出来ます。

20-30年代頃のPOSTES、50年代前後のPTT、
70年代頃になるとLA POSTEや、ツバメマークの入るPOSTESスタンプへと移り変わります。

状態の良い個体であれば、内面に製造年のスタンプが確認出来る物もありますが、経年で読み取れなくなっている個体が殆どです。

こちらがスタンプが残っている個体で、1958のスタンプが確認出来ます。

【PTT & Cheval】 ① History




Cheval(シュヴァル)をリリースしてから大変嬉しいお言葉や反響を多数いただいております。
ありがとうございます。

Chevalを構築するにあたってデザインベースとしたヴィンテージバッグがあります。

YouTube等で少し触れていますが、細かいディテールまでは紹介出来ておりませんでした。

元ネタのディテールを知っていただくことで、Chevalの魅力をより感じてもらえたらと思い、今回はデザインベースとなったヴィンテージバッグの歴史や大枠のディテールの部分にフォーカスして、解説していきます。
(長くなりそうなので、何投稿かに分けます)

写真1枚目右 :1950’s France PTT Waist Bag
写真1枚目左 : ART PIECE BAG 【Cheval】(約6ヶ月使用)

1950年代頃、フランスの郵便局員の方が使用していたウエストバッグがデザインベースとなっております。(写真1枚目右)

現フランス郵便局は LA POSTEですが、こちらは前身となるP.T.T.(Les Postes, Telegraphes et Telephones)刻印が入る個体です。

この刻印が入る物で箱型の個体を見たことがある方は結構多いかと思います。

対して、今回デザインベースとした個体は少し丸みを帯びた形状をしている特殊な仕様で、ヴィンテージ市場でも球数が圧倒的に少ない個体になります。

手間のかかる作りを見ると納得ですが、当時の生産期間も短く、生産数も少なかったのではないでしょうか。

私自身、ヴィンテージを3つ所有しておりますが、当時の使用状況や保存環境によってそれぞれが違った形状、表情になっていることが見て取れ、革の可塑性が活きるつくりとなっていることがわかります。(写真2枚目)

デザイン性は勿論、そういった歴史的な側面からも魅力を感じ、デザインベースにすることを決めたのですが、実際には私自身がこのバッグに魅了されてしまい、気付いた時には既に「自分ならどう表現するか」を思考していました。

そしてLWB流に構築しブラッシュアップしたものがARTPIECE BAG 【Cheval】となります。(写真1枚目左)

次の投稿からは各ディテールにフォーカスして、VintageとChevalを比較しながら解説していきます。