我々の使用するSteerhideは特殊な加工を施す為、
供給枚数が極端に絞られます。
更に、上がってきた革を私自身の目で見て選定し
仕入れた後に、再加工を施し、一枚革の中から更に部位、繊維を見極め、裁断をしていきます。
手間のかかった皮革の為、当然コストはかなりなものですが、その点に関しては我々は覚悟を決めているので問題ではありません。
この革を使ってLWBプロダクツを世に生み出せることに
心から感謝しております。
歯痒い点があるとすれば、
オーダー数が革の供給を大幅に上回った際に
受注停止をせざるを得ない状況になってしまう点です。
その場合は、革の在庫が整うまでの期間、
既に頂いているオーダーを消化しつつ、
新作の研究、開発に時間を充てています。
しかし、これからLWBは更に成長していきますので、
対策は必要と考えております。
現在使用しているL.W.B. ORIGINAL LEATHERの
クオリティーを守ることを考えると、
新たなマテリアルを追加することでの対策が良さそうです。(勿論、追加する場合は新マテリアルにも妥協はありません)
現時点で確定していることではありませんが、
少しずつ、動いています。
この状態を構築出来れば、お互いのマテリアルに
相乗効果がありそうです。
この辺りはまた進捗がありましたら投稿&ストーリーズで
アナウンスさせていただきます。
BLOG
以前の投稿でウォレットのオプションについて触れましたが、今回はその中でも糸色と金具色の考え方、LWBが推奨する組み合わせについて書きます。
金具色と糸色を決めかねている方は是非参考にしてみてください。
まず、仕様を決めていくにあたっての基本的な流れですが、オプションが1番多いトラッカーウォレット(鹿紐ストラップが付くタイプ)を例にすると、以下のような流れになります。
【革色】→【糸色 & 金具色】→【鹿紐色】→【ジッパースライダー & テープカラー】→【刻印】
糸色と金具色が同タイミングなのは、この部分の組み合わせが全体の印象に大きく影響する為です。
様々な組み合わせがありますが、以下の①②③の考え方で、全体の色数を2色以内でまとめるとバランスが良いです。
①糸色と金具色を合わせる。
・Natural Sinew × Brass
・White Sinew × Antique Nickel
・Black Sinew × Copper Black
②革色と糸色を合わせる。
・Rude Black or Over-Dyed Black × Black Sinew
・Chestnut Brown × Brown Sinew
・Turkmen Red × Red Sinew
・Natural × Natural Sinew
③革色と金具色を合わせる。
・Rude Black or Over-Dyed Black × Copper Black
・Natural × Brass
あくまで統一感という観点で推奨する組み合わせであって、これ以外がNGというわけではありません。
Natural Sinew × Brassが無難ですが、糸色をBrown Sinewにすることでカラーの統一感を残しつつ、引き締まった印象にもなります。
経年変化後の風合いを想定して、Brown Sinew × Copper Blackも使っていて楽しそうです。
長年の使用によって、逆に色調が合ってくるので、一味違った経年変化をご堪能いただけます。
差し色にRed Sinewを使うのもいいですね。
色々と解説しましたが、あくまで参考の一つにしていただき、最終的には自分自身のスタイリング、使用している姿、経年変化をイメージしてお選び頂ければと思います。
決めかねる部分、気になる点等ございましたら、メール、お電話でご相談ください。
店舗の方にはサンプルをご用意しております。
店舗にお越し頂いたお客様からは、「実際に見に来てよかった」といった声を多くいただきます。
私自身は常にこの場に居る為、お客様からの新鮮な反応は非常に貴重な物です。ありがとうございます。
是非、ご来店お待ちしております。
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【糸色/Thread Color】
・Natural Sinew
・White Sinew
・Black Sinew
・Brown Sinew
・Red Sinew
・White
・Black
・Brown
・Red
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【金具/Metal Fittings】
・Brass
・Antique Nickel
・Copper Black
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LWBが展開する革色/Leather Colorは全て、
自社工房内での染料手染め(Hand-Dyed)となります。
プロダクトが完成するまでの過程を想像した時に、
おそらく多くの方が【裁断】→【組み立て】→【仕上げ】→
【完成】の流れを想像されるかと思います。
ただ、ここに染めが入ると【粗裁断】→【染色】→
【本裁断】→【組み立て】→【仕上げ】→【完成】
といったように、工程が変わります。
【染色】と一口に言っても、
革を染めるだけではありません。
革を染色すれば油分が抜ける為、
その後の油分調整、ケアが必要になります。
LWBではその工程も非常に大切にしており、
染色後、本裁断前の計2回、
それぞれ異なるオイルを用いてケアします。
また、【裁断】が2回あるのは、
パーツごとに粗断ちをしてから染めるためです。
※粗断ち… 実際のカットラインから余白を残した裁断
通常は大判の革を丸々染色した方が圧倒的に効率が良く、
それが普通なのですが、
我々が求めるクオリティー&革質を考えると、
それでは納得のいく仕上がりにはなりません。
LWBではタンニンをしっかり含んだ革を採用しております。
タンニンをしっかりと含んだ革は、丈夫でコシがあり、
経年変化や形状記憶(可塑性)をより堪能できる仕上がりになります。
その反面、銀面の目の詰まり方や油分の関係もありますが、タンニンの含有量が多いほど、染料が入りづらくなります。
その為、いくつかの工夫を施した染色をしているのですが、その一つが前述の「パーツごとの染色」になります。
染料の逃げ道をなくすことで、幾分か染まりやすくなり、
悪い意味での色ムラがなくなります。
勿論、このやり方だけでは納得のいく状態には及ばず、
寧ろそれとは別の工夫が重要になりますので、
更にその“一手間“を加えます。
【本裁断】までの工程は下準備と捉えています。
LWBのものづくりでは、
この下準備の段階を大切にしており、時間を使います。
革の表情を活かし、染料染めにしかない魅力を最大限引き出し表現することを念頭に置いた、
LWBの【Hand-Dyed Leather Color】となります。
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【Hand-Dyed Leather Color】
・Turkmen Red
・Dark Green
・Chestnut Brown
・Over-Dyed Black
・Rude Black
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最近、ウォレットをご検討中のお客様から、
仕様についてのご相談をよく頂きます。
LWBでは、ウォレットのモデルに加え、
標準でお選び頂ける部分が豊富なので、
細部の仕様で悩まれる方が多いようです。
この悩む時間も、楽しみの一つにして頂けているのではないでしょうか。
TRUCKER WALLETのオプションの例でいうと、
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革色/Leather Color
鹿紐色/Deerskin Strap Color
糸色/Thread Color
金具/Metal Fittings
ジッパースライダーカラー/Zipper Slider Color
ジッパーテープカラー/Zipper Tape Color
刻印/Engrave
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この様に、最早セミオーダーメイドのような
受注形態となっております。
一度、一通り目を通して、大枠のイメージを掴んで頂くことが大前提となりますが、その上で疑問や悩みがありましたら、お気軽にお電話かメールを頂けたらと思います。
勿論、店舗にご来店いただけるのであれば、それが一番です。
お客様のご希望を聞いた上で、
ベストなバランスになる提案をさせていただきます。
LWBで製作する【WALLET】【TRUCKER WALLET】【ART PIECE BAG】には、
・Mfg Date(製造年月日)
・Ser. No.(製造番号)
が入ります。
【TRUCKER WALLET】
TRUCKER WALLETの場合、札入れ裏面にスタンプが押され、左下の数字が
Mfg Date(月/日/年) 、右下の数字がSer. No.(製造番号) となります。
こちらのスタンプがLWBメイドである証となりますので、スタンプの位置変更や、ご希望のナンバーでの製作はお受けしておりません。
お客様には、使用期間を認識できることで、経年変化を楽しむ一つの要素にして頂けたらと考えております。
我々としても、こういった要素を取り入れたプロダクツを世に生み出せることに、感謝とロマンを感じております。
今の時代とは逆行した、手作業による“All Hand Made“のものづくり。
このような手仕事を突き詰めていけるのは、LWB製品をオーダーし、ご愛用頂いているお客様をはじめ、Instagramをフォローしてくださっている皆様の支えがあってのことです。
大量生産には決して真似出来ず、ましてや世に残るものであり、それに伴ったクオリティーでなければ全く意味を成さないでしょう。
我々には、それが出来ます。
LWBにしか成し得ないものづくりをこの先もひたすら貫きます。
LWBでは、フルベジタブルタンニン鞣しの牛革を使用しております。
私自身、ものづくりを始める前から革という素材がとても好きで、今までに様々な革製品に触れてきましたが、その中でも、長い年月をかけて歴史が刻まれ、かけがえのない相棒に育っていくような感覚をより強く感じたのは圧倒的に牛革でした。
LWBのコンセプトには
・寄り添い続ける革製品
・永く在り続けるもの
・歴史が刻まれいくもの
という言葉がありますが、正にこの言葉を象徴するようなマテリアルになります。
ただ、当然ですが、牛革であれば何でもいいというわけではありません。
鞣し方や加工、仕上げによって、革質や経年変化が大きく変わってきます。
LWBで使用する牛革は、複数のタンニン剤で鞣され、油分を十分に含ませた後に独自の処方を施すことで、密度の高いコシのある革でありながら、しなやかさを併せ持つ、唯一無二の皮革へと仕上がります。
さらに、使用する部位においても、最高級部位であるベンズのみを贅沢に厳選し、製品に仕立てております。
また、タンニン鞣しの鞣し方の種類として、ピット槽鞣しとドラム鞣しがありますが、LWBで使用する皮革はピット槽鞣しの牛革となります。
世の中の殆どのタンニンレザーは、タイコと呼ばれる大きな樽型洗濯機のような機械装置によるドラム鞣しとなります。
タンニンが浸透するスピードが早く、生産効率、コストパフォーマンスに優れた鞣し方ではありますが、繊維が崩れる為コシのない仕上がりになるのが特徴です。
対してピット槽で鞣された皮革は、長時間をかけてじっくりタンニンを浸透させる為、繊維の詰まった丈夫な革に仕上がります。
ピット槽鞣しができるタンナーは、日本でも数社のみとなります。
前回に引き続き、トラッカーウォレットのジッパー周りについて書きます。
既にお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、LWBが展開するトラッカーウォレットは、モデルによってジッパーの閉める向きが異なります。
TRUCKER WALLET-01、-03 → 正面から見て引手が右側
TRUCKER WALLET-02、-04、-00、-05 → 正面から見て引手が左側
※TRUCKER WALLET-00、-05は、2024年6月29日(土) 受注開始
当然ですが、それには意味があります。
簡潔に言うと、
ウォレットをバックポケットに入れた時、引き手が下側(体重が1番かかる位置)にならないようにし、不必要なダメージを避ける為です。
勿論、ジッパーの形状によってもダメージは違いますし、そもそも使い方によっては関係のないことです。
ただ我々としては、ウォレットをバックポケットに入れて使用することを前提としており、
ジッパーの形状に関しても、1940年代のヴィンテージジッパーをベースとした物(コの字留め+小型のベル型スライダー+コットンテープ)を採用しておりますので、影響のある部分となります。
その為、細かい部分ではありますが、LWBで大切している ”隠れたギミック” の一つとなっております。
どちらの向きが使い易いかに関しては、慣れればどちらも変わらない というのが、両方の向きを実際に使った私の答えです。
今回は目には見えない部分、お客様からすると普段あまり意識しないと思われる製作面のお話しになります。
トラッカーウォレットのジッパー周り(コインポケット部分)についてです。
以前、この辺りのことをお客様に説明する機会があり、とても嬉しい反応を頂けたので書きます。
まず、ジッパーテープですが、基本的にポリエステルテープとコットンテープの2種類の素材があります。
●ポリエステル
【メリット】
・コットンテープより耐久性に優れる
・テープの端を焼いて処理できる(製作面のメリット)
・コットンテープと比較してコストが安い
【デメリット】
・化学繊維特有の人工感があり、経年変化をするタンニン鞣しの革との相性が良くない。革が経年変化していくとより浮いて見える。(個人的見解)
●コットン
【メリット】
・天然繊維特有の落ち着いた色味、素材感、質感
・使用につれ、テープカラーがフェードし、自然な経年変化を楽しめる。
・タンニン鞣しの革との相性が良い。
【デメリット】
・ポリエステルと比較して、耐久性がやや劣る(脆いということではない)
・ポリエステルと比較して、コストが高い
※一部、メリット デメリットが表裏一体の部分もあると思いますが、あくまでLWBのものづくりに落とし込んだ場合の考えになります。
こういったそれぞれの特性を考慮し、LWBではコットンテープを採用しております。
ただ、LWBのコンセプト LWBのものづくりについて にもある通り、長年の使用を想定している為、リペアは極力少なければ少ないほど良いと考えております。
”修理が出来ること”を前提としたのづくりであって、”修理が発生すること”を前提としたものづくりではない。といった感じです。
そこで、コットンテープを使用するうえで、製作工程にある工夫をしております。
通常、製作効率を意識した場合、革にジッパーを貼り付けた後に縫い穴を開けていきますが、LWBではジッパーを貼り付ける前に縫い穴を開けます。
具体的にどの様な違いがあるかというと、前者の場合、テープ部分を菱ギリ(縫い穴を開ける道具)で刺す形になるので繊維が切れている状態です。
後者の場合、テープ部分は縫い針の穴のみになるので、繊維が切れるというよりかは繊維の隙間を通っている形になります。
勿論、後者の工程の方が生産性は劣りますが、我々のAll Hand Madeによる、極少量生産ならではのものづくりと言えます。
短期間の使用では大きな違いはありませんが、長年使用し続けた時に、違いが出てくると考えております。
また、LWBでは部位によって縫い糸の太さを調節しており、こちらのコインポケット部分は細めの糸を使用しております。
以前、TRUCKER WALLET-01の製作動画をYouTubeにupしております。
革の切り出しから完成まで撮影しており、勿論、今回書いた工程も含まれますので、是非お時間のある時にチェックしてみてください。
最早説明不用なus mail bag
ヴィンテージのレザーバッグと聞くと真っ先にこのバッグが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
ART PIECE BAGの2作目として、いくつかデザインベースを検討しておりますが、こちらが現状での最有力候補となっております。
LWBとしてどのように表現するか、
細部をどのように落とし込むか、
このあたりのバランスや大枠の思考は完了しており、後は試作しながらそこまで持っていく段階です。
試作毎に、実際に使用してテストする期間がある為、こちらも発表はまだまだ先になりますが楽しみにして頂けたらと思います!
TRUCKER WALLETのウォレットチェーンの取り付け箇所は、モデル別に2パターンございます。
【TRUCKER WALLET-01】【TRUCKER WALLET-03】 → ハトメ&小判カン
【TRUCKER WALLET-02】【TRUCKER WALLET-04】 → ディアスキンストラップ
TRUCKER WALLETの詳細はこちらをご覧ください。【TRUCKER WALLET】
長年の使用によって、より魅力的な経年変化をすることを想定して、それぞれの仕様を採用しております。
TRUCKER WALLET-02、04は構造上、ウォレットチェーンの取り付け箇所が屈折部分になります。
この取り付け箇所でハトメを付けてしまうと、長年の使用で革の裂けが発生しやすくなります。
その為LWBでは、革の耐久性を考慮し、タンニン鞣しのディアスキンストラップを採用しております。
TRUCKER WALLET-01、-03では、取り付け位置が屈折部分ではない為、ハトメ&小判カンの組み合わせになります。