写真1枚目右 : 1950’s France P.T.T. Waist Bag
写真1枚目左 : ART PIECE BAG 【Cheval】 (約6ヶ月使用)
マチの上部、両サイドにバックル留めのストラップが付きます。
デザインとしても目を引くディテールですが、マチの伸びや、潰れによる型崩れの防止、マチ幅を調節する機能があります。
しかし、マチ幅の調節に関しては、そこまで実用的ではなく、実際に当時もあまり活用されていなかったようです。
手元にあるヴィンテージバッグ (P.T.T.)や、今までに確認したことのある全ての個体が、同じく中央のピン穴(1番スタンダードな位置)で留められていることから、そう推測出来ます。
バッグ自体の厚みも、使用するにつれ程良く馴染み、自然と薄くなってきますし、マチを絞って薄くするメリットがあまり感じられないことから、デザイン面と型崩れの防止、そして強度を高める役割がメインであると考えています。
私がこのヴィンテージバッグのディテールを、Chevalに落とし込む上で特に大切にしていた部分が、使用によりマチが潰れてきた際のシルエットです。
正面から見た時に、サイドストラップ部分が、被せから張り出しているそのシルエットがとても魅力的に映りました。
言語化するのがとても難しいのですが、この形状美は、前の投稿でも書いている”縁革巻き “の部分と、サイドストラップの部分が大きく影響していると感じます。
デザイン先行のつくりではなく、機能や実用面を先行した結果、絶妙なバランスを保ち、一つのデザインとなっていることがわかります。
個人的に、衣類でもそうですが、バッグ等の革製品でも
vintage、 antiqueと呼ばれる古いモノ達は感覚的に魅力を感じる個体が多い印象です。
その理由を考えると、今回フォーカスしたサイドストラップの様に、機能や実用面先行でプロダクトを構築し、その結果デザインとなっている、そういったものづくりに対するマインド自体が一つの大きな要因ではないかと思います。
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少し脱線する所もありましたが、今回で【PTT & Cheval】の投稿は終わりです。
Chevalの詳細はPRODUCTSページからご確認いただけます。
店舗の方では、実物を見て触れて頂けますのでご検討中の方は是非ご来店ください。