【RENNES】Vintage & Original Detail


左 : 1958’s Vintage Dead Stock French Army Leather Sandal Type Ⅰ
右 : L.W.B. FOOTWEAR PRODUCTS“RENNES“

1958’s French Army Leather Sandal Type Ⅰ

現在ではグルカサンダルとも呼ばれている形の一つかと思います。

当時、フランス軍に支給されていた Type Ⅰと呼ばれるこの個体の製造期間は非常に短く、1958年の1年間のみと言われています。
ソール部分に製造年の刻印が押されています。58(1958年)


Type Ⅱと呼ばれる形も存在しますが、生産年数が幅広く存在し、現存数も多い印象です。
デザインも大きく変わってきます。

Type ⅠはType Ⅱに比べて手間が掛かるので、生産されなくなった要因としては生産効率の面もあるのではと思います。

ものづくり、構造の面では、
アッパーの取り付け方が特徴的な作りとなっており、
各パーツの足をソールの中間に挟み、縫い込むことで固定しています。
この構造だとパーツの抜けによる破損がまずありません。


(左 : Vintage / 右 : RENNES)


ハードな使用にも耐えうるよう、
考えられているのが見て取れます。

アッパー部分の革同士が組み合う形で立体を形成するつくりのため、革の質や表情がダイレクトに出るのもとても魅力的な仕様です。

履き心地の面では、
サンダルというより“通気性の良い革靴の様な感覚です。


LWBのRENNESとしての落とし込みについては、大元となるアッパーの構造はそのまま採用しております。

足型に関してはヴィンテージからトレースし、少しずつ修正を重ねて、今の形状に至りました。

革厚、ソールのつくりの部分は1から見直し、歩行性を考慮しつつ、タフに履き込めること、経年変化を楽しめることを念頭に構築しております。

ものづくりの部分においては、総手縫い、総コバ磨きのプロセスで製作しております。

・総手縫い
ハンドソーンによるステッチダウン製法で、一目一目テンションをかけ、縫い上げていきます。

通常、WALLETの製作で使用するSinew糸の倍以上の太さを採用しており、この極太の糸を強いテンションで縫い上げていく為、技術も勿論ですが、力が必要な工程です。

その分、縫い上がりの表情は唯一無二のものがあります。

・総コバ磨き
革の特性として、コバ(革の断面)は水分が沁みやすく、銀面(革の表面)と比べて弱い性質があります。

 コバ磨きをすると水分の浸透を軽減することができ、単純に断面の密度が高くなるので耐久性が上がります。

工業メイドではこの部分の処理がされていない物があったりしますが、より工業メイドが主流となる革靴、レザーサンダルの界隈では特に多くある気がします。(ソールのエッジ部分ではなく、アッパーの断面の話しです。)

更にはグルカサンダルと呼ばれるような形ですと、革の断面が露出する部分が非常に多くなり、磨くとなると非常に手間の掛かる工程となります。

タンニン鞣し、染料染め、天然コバ磨きで仕上げる為、正直雨には弱いですが、丸ごと経年変化を堪能いただけます。

今回は、デザインベースとしたレザーサンダルのディテールとLWBのRENNESへの落とし込み、ブラッシュアップした部分についてでした。