【PTT & Cheval】⑤ 内装/ Lining






写真1枚目左 : 1950’s France P.T.T. Waist Bag
写真1枚目右 : ART PIECE BAG 【Cheval】(約6ヶ月使用)

ヴィンテージは裏地等は付いておらず、革の床面がそのまま見える状態です。

これはこのバッグが特別というよりは、生産国やバッグの種類関係なく、この年代辺りのヴィンテージレザーバッグであれば、寧ろ当然な仕様です。

今回Chevalで表現したかったのはタンニン轢しの革の特性を最大限活かした、唯一無二であり、最高峰のショルダーバ
ッグ。

その為、Chevalでは、ライニングにタンニン鞣しのディアスキン(鹿革)を採用しております。

被せ部分から、3箇所の各ポケット内部に至るまで、革張りを施した”フルライニング仕様”となっております。

革の断面が露出する通常のバッグであれば、この仕様は成り立ちません。

無理矢理落とし込んでも、全く性質の異なる素材同士が張り合わされた状態がバッグの輪郭となる訳なので、個人的には論外です。

ただ、前回の投稿で解説した、革の断面に縁革巻き(パイピング)を施した、この仕様である故に成立します。

デザインベースとした当時のヴィンテージバッグ (P.T.T.)で採用されているスペシャルな仕様を活かし、それをさらにスペシャルにし、Chevalに落とし込んだ、といった感じです。

デザインをする上で、足し算、引き算で考えますが、この部分は掛け算なイメージです。

盛り込めば盛り込むほどバランスをとるのは非常に難しくなりますが、そのポテンシャルをこのヴィンテージバッグは持っていました。

傷が付きやすいデリケートな物や、ウール等の床面と擦れて毛羽立ってしまう衣類等を収納するとなると話は変わりますが、ライニングが付かない物でも使用する上で問題はございません。

現代においても、タンニン鞣しの革を使用し、革の特性を活かしたものづくりをされているブランドでは、ライニングを付けない所も多いです。

しかし、実際に Chevalの実物を見て触れていただくと格別に感じられるかと思います。

他にも、内装のギミックとして、所有者ネーム・シリアル&製造年月日のナンバリング・ART PIECE BAGロゴが焼印or箔押しで入ります。